ハリネズミの恋
「そう言えば…」

「んー?」

おっ、続きを言いたくなったか?

「大政くんはよかったの?」

…ご飯を吹き出しそうになったが、何とかこらえた。

俺はここへくる前に売店で買ってきた紙パックの緑茶をストローですすると、
「気にするな」
と、答えた。

むしろ、太は気をつかっているんだ。

今頃教室で1人で飯を食っているか、はたまた部室でタケルと今井と一緒に飯を食っていることだろう。

って言うか、何で太の名前が出てくるんだ?

「いつも一緒にいるから」

俺の頭の中を呼んだと言うように、針井は答えた。

「あー、そうだな。

あいつとは、中学の時からのつきあいだよ」

俺はうんうんと首を縦にうなずきながら答えた。
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