ハリネズミの恋
Chapter13*体育祭*
6月になったのと同時に、梅雨入りした。

今日は梅雨の真っただ中とは思えないくらいの青空が広がっていた。

「だた今から第94回体育祭を始めます」

体育祭が始まった。

「暑いなあ。

とても梅雨の真っただ中とは思えねーわ」

スポーツドリンクを片手に太は首にかけてあるタオルで流れる汗をぬぐった。

「カラッとしているだけでもまだマシだと思うけどな」

俺はそう返すと競技の方に視線を向けた。

今やっている競技は借り物競走だ。

この間まではジメジメとした梅雨独特の蒸し暑さが続いていたが、今日はカラッとしている。

しかし、暑いことには変わりはない。

「太、もうそろそろじゃねーか?」

俺は言った。
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