ハリネズミの恋
「太は次の競技に出るんだ」

俺がそう言うと、針井は戸惑いながらも太が座っていたところに腰を下ろした。

「青って感じじゃないね」

針井が言った。

「んっ?

どう言うこと?」

俺が聞き返すと、
「ハチマキ」

針井が答えた。

そう言うことか。

俺の髪をまとめているのはいつものオレンジ色のヘアバンドではなく、青いハチマキである。

体育祭は学年対抗戦である。

1年は赤、2年は青、3年は緑と言うように色分けがされている。
< 206 / 297 >

この作品をシェア

pagetop