ハリネズミの恋
昼休みの過ごし方も変わった。

「この間まで考えられなかったな」

今日はキャラメルオレを片手に太が言った。

「えっ、どう言う意味?」

寧々はそう言った後、毎度おなじみの太が持ってきたポッキーをかじった。

この間までは俺と太の2人で過ごしていた昼休みが、今では寧々を交えて3人で過ごしている。

「七緒が針井ちゃんとつきあって、俺が針井ちゃんと一緒に昼休みを過ごしてること」

太はストローでキャラメルオレをすすった。

「あー…」

俺もポッキーをかじった。

「わたしも、ピンとこなかったかも」

寧々は共感するように首を縦に振ってうなずいた。

この間までの昼休みは、寧々はいつも1人で読書だった。
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