ハリネズミの恋
その日の放課後。

「針井ちゃん、七緒の見学に行くの?」

ギターケースを肩に背負うと、太が聞いてきた。

「ああ、行くんだって」

俺はカバンを持つと答えた。

「おいおい、おとといも見学に行ってなかったか?

たまには俺のところにもきて欲しいんだけどー」

そう言った太に、
「そのうちね」

寧々の声が入ってきた。

寧々は俺の隣に並んでいた。

「おーい、クラス委員」

担任に呼ばれた。

俺と寧々は顔を見あわせた。
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