ハリネズミの恋
「とりあえず、早く終わらせましょう?

プリントはわたしが全部職員室に持って行くから」

「いや、半分は俺が持ってくよ」

「でも…来週の土曜日に予選があるんでしょ?」

ダンス甲子園の話を出した寧々に、
「…もしかして、見にきてくれるのか?」

俺は聞き返した。

寧々は笑って、
「当たり前じゃない。

七緒くんの晴れ舞台なんだから」
と、言った。

「――えっ…?」

今のは俺の聞き間違い、か…?

寧々は小さく声をあげた後、口に手を当てた。
< 228 / 297 >

この作品をシェア

pagetop