ハリネズミの恋
今年も始まったダンス甲子園は、今年も白熱していた。

「…すっげーな」

俺は呟くしか他がなかった。

どのチームも完成度やパフォーマンス度が高い。

俺らダンス部が今年も無事に出場できたこと自体が奇跡に感じる。

「さっきのチーム、すごかったな」

太が俺に声をかけてきた。

「ああ、完成度が高過ぎて…俺、どう返せばいいんだ?」

しかも、
「何であの次に俺らなんですかー」

嘆くように岩田さんに言った俺に、
「いやあ、順番に文句は言えないんだよ。

もう運命とか、宿命ってヤツ?」

岩田さんは苦笑いをした。

「大丈夫だって!

ダンス部のエースの七緒がセンターなんだろ?」

太がポンと肩をたたいた。
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