ハリネズミの恋
担任の先生が配慮してグループに入れてくれたんだけど…そのグループの子たちとは、うまく行かなかった。

悪い言い方をするなら、いじめられてた。

わたしを含めるグループ全員分のレポートを書かされたり、自分たちでやれば簡単に終われる雑用を全部わたしに押しつけられたり…ちょっと文句をこぼしたら、“担任に言われて仕方なくグループに入れてやったんだから、それくらいやれよ”って言い返された。

氷室くんはそれを見かねて、自分も部活やレポートで忙しいのに、一緒にグループ全員分のレポートを書いてくれたり、雑用も手伝ってくれたりして…でも、グループの子たちはおもしろくなかったかも知れない。

わたしが氷室くんに自分の仕事を手伝わせてる、って言う噂を流された。

今の今まで黙って見ていた氷室くんは我慢できなくなって、グループの子たちに注意しに行ったの。

そしたら今度は、わたしと氷室くんがつきあっているって言う噂を流された。

その噂のせいで周りから冷やかされて、からかわれて。

氷室くんはその噂に対して、“あいつらが好き勝手に言ってるだけだから黙ってればいい”――要は、気にするなって言うことだよね。

彼は笑いながらそう言っていたけど…わたし、耐えられなかった。

わたしのせいで氷室くんは嫌な思いをしてる。

わたしのせいで氷室くんは嫌な目にあっている。

もう耐えられなくて、みんなの前で言った。
< 248 / 297 >

この作品をシェア

pagetop