ハリネズミの恋
その時から俺はもう、ダンスに夢中になった。

流行りのK-POPやヒップホップ、ジャズダンス…と、とにかく夢中になって踊った。

中学の時はダンス部はなかったから、こうして家で時間を見つけては踊っていた。

進学した先の高校でダンス部があると知った時、俺は迷わず入部した。

家でも学校でもダンス三昧。

楽し過ぎるから飽きる訳がない。

「――よし、決まった!」

俺は顔中に流れる汗を手の甲で拭うと、それまで髪をまとめていたヘアバンドを外した。

最後にポーズが決まると嬉しい以外何も表現できない。

だからダンスはやめられない。
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