ハリネズミの恋
バカにも程があるだろ。

鈍感にも程があるだろ。

「そんなんだから、メグにマーサを奪われたって言うのに…」

前の恋愛の教訓が全然活かされてねーじゃねーか。

「バカだな、俺は」

小さく呟いた俺の声は、
「ナナはバカじゃないよ」

誰かが答えた。

目を押さえていたヘアバンドを離すと、
「――フーゴ…?」

フーゴがそこにいた。

すっきりさっぱりとした笑顔を浮かべているフーゴは俺に歩み寄ると、隣に腰を下ろした。
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