ハリネズミの恋
「どんなことがあろうが、何があろうが、寧々は寧々だ」

「だけど、七緒くんはあの子」

「R高校の西脇優奈か?」

そう言った俺に寧々は目を伏せた。

「氷室と共謀してたんだろ?

好きな子がいるって言ったら、あきらめたよ」

寧々は目をあげた。

「よかった…」

小さな声で呟くように言った。

「寧々がいるのに、他のところに行く訳ねーだろ」

そう言った俺に、寧々は恥ずかしそうに顔を紅くさせた。

「そ、そうだよね…。

わたし、何を勘違いしてたんだろ…」

寧々は顔に手を当てた後、うつむいた。
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