ハリネズミの恋
フーゴはフッと微笑んで、
「ナナもいつかわかる時がくるよ」

そう言って手を伸ばして、俺の頭をなでたのだった。

わかる時がくる…か。

まあ、うん…そうだな。

ちょっとばかし、わかるような気が…ダメだ、やっぱりわからない。

「今月は4月なので…4番の霧ヶ峰」

「――えっ…!?」

担任の声で俺は現実に戻された。

クラスメイトの視線が俺に集中している。

…おい、ちょっと待て。

俺がクラス委員をやれ、って言うことか?

今月は4月で、俺の出席番号が4番だからと言う理由でか?

「七緒ちゃん、指名入りましたー」

前の席の太が小声で言ってクスクスと笑った。
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