ハリネズミの恋
「へえ、まさか寧々の彼氏の君と対決することになるなんてなあ」

氷室も同じことを思っていたらしく、驚いたと言うように言った。

「俺も対決相手があなただとは思いもしませんでした」

俺は返した。

「ウソみたいな展開だね」

氷室はクイッと眼鏡をあげると、
「手加減する気はないから、覚悟してね?」
と、言った。

「それはこっちのセリフです」

俺も何クソと言うように言い返した。

「じゃ」

氷室は手をあげると、ステージへと飛び出した。

「知り合い?」

彼の後ろ姿を見送った後、岩田さんが声をかけてきた。

「因果関係的なものです」

岩田さんの質問に、俺は答えた。
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