ハリネズミの恋
他人事だと思いやがって、コンチクショー!

と言うか、担任もめんどくさいからって…!

誰も候補者がいないからって…!

勝手に指名されたこっちの身にもなって見ろと、俺は心の中で毒づいた。

「えー、もう1人の方は…」

担任がそう言って教室を見回したその時だった。

「はい」

ソプラノの澄んだ声が聞こえた。

えっ?

マジか?

って言うか、誰が候補したんだ?

そう思いながら視線を向けたら、驚いた。

それはクラスメイトたちも同じだったらしい。
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