ハリネズミの恋
教え子の首元で輝いているのは、銀色のチェーンがかかっているフーゴのベビーリングだ。

彼の誕生石であるサファイアの宝石が太陽の光に反射されて、キラキラと輝いていた。

フーゴが教え子に何かをささやいた。

教え子はわかったと言うようにうなずいた後、フーゴにブーケを渡した。

フーゴがブーケを持って、俺たちの方に向かってきた。

何だ?

首を傾げた俺に、
「ナナ、おめでとう」

フーゴは俺にブーケを差し出した。

「えっ…」

俺は訳がわからないながらも、ブーケを受け取った。

俺がブーケを受け取ったことを確認すると、フーゴは俺の頭のうえにポンと手を乗せた。

それから、教え子の方に戻って行った。
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