ハリネズミの恋
「どうした?」

そう聞いた俺に、
「な、七緒くん、えっ…」

寧々は戸惑い始めた。

その戸惑った様子がかわいくて、
「何だよ、俺と結婚式を挙げるのが嫌だって?」

ちょっとからかって見た。

「ち、違うよ…。

ただ、その…お、驚いちゃって…」

「うん」

「結婚なんてまだ先の話だし、だから…」

ポツリポツリと考えながら話す寧々に、
「すまん、やり過ぎた」

俺は謝った後、寧々の頭に手を伸ばした。

フワリと香ったマシュマロの甘い香りに、寧々と結婚する未来はそう遠くはないものかも知れないと俺は感じた。
< 294 / 297 >

この作品をシェア

pagetop