ハリネズミの恋
「七緒ちゃん、指名入りましたー」

太が笑いながら言った。

「テメ、絞め殺すぞ」

俺は毒づくように言い返した。

「んじゃ、頑張ってねー」

太は手をあげると、笑いながらその場を去った。

ったく、他人事だと思いやがって…!

俺は太をひとにらみすると、担任のところに向かった。

針井も帰るところだったのか、カバンを持って担任のところにやってきた。

「早速だが、このプリントを3枚ずつまとめて欲しいんだ」

そう言って担任は3部あるプリントをドンドンドンと机のうえに置いた。

うわっ、めんどくさいなあ…。

って言うか、担任も担任でそれくらい自分でやればいいのに…。
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