ハリネズミの恋
「終わったら、職員室に届けてくれ。

じゃ、頼んだぞー」

担任は手をあげると、教室を出て行った。

何だよ何だよ。

昨日と言い、今日と言い…なんて日だッ!

新学期早々から、なんて日だッ!

教室には俺と針井以外、誰も残っていない。

パチンとホチキスを止める音がして視線を向けて見ると、椅子に座った針井が作業をしていた。

ったく、仕方ねーな。

そう思いながら、近くの机にカバンを置いて作業に取り掛かろうとした時だった。

「帰ってもいいよ?」
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