ハリネズミの恋
「さあな」

俺は一言西脇優奈にそう言うと、カラオケ店を後にした。

カラオケ店を出ると、外はもう夜だった。

ブレザーのポケットからスマートフォンを出して時間の確認をすると、19時を過ぎていた。

それをまたポケットにしまうと、家路に向かって歩き出した。

トラックが俺の横を通り過ぎる。

“LOVE TOGETHER”

トラックの看板にはそんなことが書いてあった。

「何じゃそりゃ…」

俺は呆れたと言うように呟いた。

ルー大柴じゃあるまいに…。

針井とトゥギャザーできるかっつーの。

…何で針井なんだ?
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