ハリネズミの恋
太がツッコミを入れたその瞬間、予鈴のチャイムが鳴った。

「マジか…」

「マジだよ」

呟いた太に今度は俺がツッコミを入れる番である。

「また次の休み時間にでも話すわ」

「興味ねーからいいよ」

呆れ気味に返した俺の声に、太は手を振った後に前を向いた。

絶対俺の話聞いてねーな。

そう思いながら俺は針井の席に視線を向けた。

…あいつ、いつの間にきてたんだ?

針井はすでに席についていた。

彼女の姿を確認した後、俺は前に視線を向けた。
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