ハリネズミの恋
「…それでお祝いの品は、ポッキーですかね？」

箱ごと渡されたポッキーに、俺はどう返せばいいのだろうか？

「いらないなら今すぐ返品してもいいんだぜ？」

「わかったわかった、ありがとう」

今にもポッキーを取りあげそうな太に俺はテキトーにお礼を言うと、ポッキーを開けた。

毎回思うけど、本当に太はポッキーが好きなんだなと言う話である。

ポリポリとポッキーをかじっている俺に、
「実はさ、俺も嬉しい話があるんだ」

太はそれはそれは楽しそうに笑いながら言った。

「んー？

ヒロカちゃんとサヤカちゃん…だっけか？

どっちかとうまく行ったのか？」

そう言った俺に、
「いや、これがまた違うんだ」

太はコクリといちごオレを飲んだ。
< 85 / 297 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop