ハリネズミの恋
こいつ、本当に話す気があるのかないのか…。

半ば呆れてる俺に、
「ライブすることになりましたー!」

太は発表した。

「マジで!?」

叫ぶように返した俺の口から、それまでくわえていたポッキーが落ちた。

「これに出ることになったんだ」

太はブレザーのポケットから折りたたまれたチラシを机のうえに出した。

チラシを広げて内容の確認。

『三坂百貨店』と言うデパートのイベントチラシだった。

「『インディーズバンドさん、いらっしゃ~い!』って…これに出るの!?」

チラシを見ながら言った俺に、
「正解!」

太はまたパンッと手をたたいて答えた。
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