ハリネズミの恋
「いやー、応募して見るもんだねー。

応募締め切りの2、3日前にこれ知って、善は急げって感じでメンバーの写真撮って必要事項を書いて応募したら、出演決定の通知がおととい届いたんだ」

太は自慢するように言った。

「おととい届いたって、昨日何にも言ってなかったじゃんか」

そう言った俺に、
「昨日の合コンで言おうと思ってたんだけど、七緒途中で帰ったじゃんか」

太は答えた。

「あー、そう言えばそうだったな」

って言うか、太も太である意味悪いんだと言う話である。

「絶対こいよ?」

チラシを俺の前に突き出し、太が一言。

「くるに決まってるじゃんか。

這ってでもきてやるよ」

太からチラシを受け取り、俺は返した。
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