ハリネズミの恋
「えっ…?」

針井の言葉に、俺はどう返せばいいのかわからなかった。

「霧ヶ峰くんが高身長は…想像できない」

針井は呟くように言った。

「な、何だよ…」

想像できないって、意味がわかんねーよ。

俺はパチンパチンと、ホチキスを動かした。

「それで、大政くんの話なんだけど」

おっ、意外にも食いついた。

「『三坂百貨店』って言うデパートがあるだろ?

ゴールデンウィークのイベントに、太のバンドが出演することになったんだってよ」

そこまで言って、俺はふと気づいた。
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