メロンジュース
メグが好き。

メグのことが大好き。

こんな気持ちになったのは、初めてのことだった。

ナナは悲しそうに目を伏せると、
「――そうか…」
と、呟くように返事をした。

「仕方ないよな…。

マーサはメグの婚約者で、メグのものなんだから、仕方がない…。

そもそも、最初ッから俺が入るすき間なんてなかったんだ…」

ナナは呟いた後、目の下にブレザーの袖を当てた。

「今日はメグの帰りが早いみたいだから、早く家帰ったら?」

目を伏せたまま、ナナが言った。
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