メロンジュース
Chapter7*青空の下で抱きしめて*
大学を無事に卒業し、迎えた4月。

「誰だこれ…」

真っ白なウエディングドレス姿のあたしは、固まっていた。

ウエディングドレスはまだいいんだけど、果たしてこれはいるのか?

ショートカットのあたしの黒髪は、腰まであるロングヘアの黒髪になっていた。

ウィッグである。

いらねーだろ、これ。

「ロングヘアも似合うじゃん」

白いタキシード姿のメグが隣から言った。

「髪伸ばしたら?

ロング、似合ってるよ」

「伸ばせねーよ、うっとうしいんだもん」

毒づくように返したあたしに、メグはクスクスと笑ったのだった。
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