メロンジュース
メグとナナのちっこい争いを傍観していたところへ、
「ただいまー」

その声と共にまた新たな登場人物が現れた。

視線を向けると、黒髪の男の人だった。

年齢からして見るとメグと同い年っぽいけど、背はあたしの方が数センチほど高かった。

「おっ、フーゴおかえりー」

ナナが彼の存在に気づいてあいさつした。

えっ、フーゴ?

さっき名前だけ登場したヤツが意外にも早く出たな…。

「お客さん?」

フーゴはそう聞いた後でカーキ色のコートを脱ぐと、ハンガーにかけた。

「いいや、俺の婚約者」

メグがフーゴに向かってニッと笑うと答えた。
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