メロンジュース
「今気づいたの?」

ナナがあたしの顔を覗き込むと聞いてきた。

「霧ヶ峰なんて言う珍しい名字を他に聞いたことがない」

あたしは返した。

「まあ、確かにそうだよな」

ナナは首を縦に振ってうなずいた。

「おもしろい子だね」

フーゴがあたしを見ると、そう言って笑った。

ああ、そう言えばフーゴに自己紹介してないや。

「あたしは兼松真麻、大学4年」

フーゴを見下ろしていると言うのは仕方ないけど、あたしは自分の名前を言った。

「へえ、大学4年生なんだ。

僕は葉月風吾」

フーゴはあたしを見あげると、自分の名前を言った。
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