メロンジュース
「ウソだと思うなら時速約160キロのボールを打ち返して見せようか?」

バットを構えたあたしに、
「めちゃくちゃ見たからいい」

ナナは返した。

何だ、つまらん…。

その気持ちを晴らすように、あたしはバッティングを再開した。


「あー、気がすんだー!」

休憩所でメロンソーダを飲みながら一息。

「あれだけバッティングしまくったって言うのに疲れてねーのかよ…」

その隣でナナがオレンジジュースを片手に呆れた顔をしている。

「好きなんだからしょうがないじゃん。

ナナは好きで何かやってることねーの?」

あたしはメロンソーダで乾いたのどを潤した。
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