メロンジュース
「俺は婚約や結婚は、“愛”でするものだと思ってる。

なのに、メグは愛なしでマーサと婚約して、そのうえ結婚までしようとしてるじゃねーか」

ナナは宣言するように言うと、ヤケ酒でもあおるかのようにオレンジジュースを一気に飲んだ。

「あたしは別にそれでいいと思ってるよ。

愛のない結婚なんてドラマや小説だけじゃなくて、現実でもあるみたいだし。

あたしの知り合いにだっているよ?

お互いに愛人がいるけど、別れないってヤツ」

「うわっ、最低にも程があるな…」

ナナは嫌なものを見たと言う顔をした。

そんな顔されるとすっごい気分が悪いんだけど…。

その時、シャツのポケットに入っていたスマートフォンが震えた。

着信を確認すると、メグからだった。
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