メロンジュース
あたしが真っ先にしたことは、ヤツの頬にビンタをお見舞いしてやったことだった。

間違ってるか?

あたしの行動。

メロンソーダを飲みながら紅葉がついたヤツの頬を見つめる。

秋だから紅葉なんだよ。

おかしいか?

ったく、ナンパもずいぶん進化したなあ。

第一声が、子作りなんて。

空っぽになったメロンソーダの缶をゴミ箱に向かって投げた。

「よっしゃ!」

缶はキレイな弧を描いて、ゴミ箱に入った。

これが元ソフトボール部の4番バッターの実力じゃい!

腕はまだ衰えてねーぜ!

おっしゃー!とガッツポーズをしたあたしに、
「気に入った!」

「…はあっ?」

ヤツがあたしの腕をつかんできた。
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