メロンジュース
メグと一緒で、本当によくわかんないヤツだなあ…。

「中身のことを言ったんじゃないんだよ」

ナナはあたしの方に視線を向けた。

「えっ、マジ?」

そう言ったナナは何故だかよくわからないけど、嬉しそうだった。

「あたしは外見の意味で似てるって言ったんだよ。

例えば、癖っ毛の黒髪とか」

「あー…」

ナナは指先で自分の毛先をつまむと、それを見つめた。

「んー、椙山の家はみんな癖っ毛なんだよ。

それはある意味遺伝の問題」

ナナはつまんでいた毛先を離した。

「ほー」

あたしは首を縦に振ってうなずいた。
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