メロンジュース
考えているフーゴの思考をさえぎるように、あたしはたった今思ったことを口に出した。

よくある話じゃん。

幼なじみ同士の結婚とか、恋愛とか。

どうせだったら、あたしじゃなくて幼なじみのフーゴを椙山家に嫁として迎えればよかったのに。

「――なっ…!」

ナナはいきなり何を言い出すんだと言うように、口を金魚のようにパクパクさせてワナワナと震えている。

「幼なじみだけど、僕にも恵にもそんな趣味はないよ」

フーゴはそう返すと、カプチーノに口をつけた。

「それに…」

「それに?」

次は何を言うのだろう?

フーゴはカップを置くと、
「恵は、君のことが好きだと思う」

「はあっ!?」

あたしは大きな声で聞き返した。
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