龍神様との恋愛事情!
うわ…すごく見下されてる。
でも確かに、人間はどうしようもなくなると最終的には神頼みをする。
私だって、千早様に願い事をした。
彼は快く聞いてくれるけど、伊吹様は自分に都合のいい願いばかり言う人間に幻滅したのかもしれない。
千早様は…幻滅したりしないよね…?
大丈夫だよね。
だって彼は優しい龍神様だから。
伊吹様みたいにピリピリしてないし。
「沙織」
ビクッと身体が反応した。
「お前、黄龍となぜ親しい」
「え…?千早様?」
「あまり奴に関わるな。面倒だ」
言った瞬間、伊吹様の身体がスーッと床に吸い込まれていった。
「い、伊吹様!?」
下へ下へとゆっくり消えていく。
「忘れるな沙織。お前は俺のものだ」
その言葉を最後に伊吹様の姿は食堂から消えた。