龍神様との恋愛事情!
十二階にあるおじいちゃんの病室は相部屋だ。
あまり他人に聞かれたくない話だから小声で話そうかと考えていたら、意外にも気兼ねなく会話しやすい状況だった。
ベッドのカーテンが閉まってたり、廊下に出ていたりと相部屋の患者さん達は私達の視界に入らない場所にいる。
うん。言うなら今しかない。
私は挨拶をして早々、おじいちゃんにおばあちゃんのことを話し始めた。
「おじいちゃん、おばあちゃんの認知症が治ったら……嬉しい?」
「そりゃあなー」
「実はね…治るかも、しれないんだよ。おばあちゃん」
「はあ?」
「ちょ!沙織?何言ってるの!?」
「お母さんも聞いて。おばあちゃんね、認知症が治るの。けど、治ったら……」