龍神様との恋愛事情!
そこで言葉が一度途切れた。
声に出すのを一瞬ためらってから、私はおじいちゃんから視線を反らした。
「…ここにはいられない」
私はズバリ言った。
「治ったら…龍の世界に行かなきゃいけなくなるの」
返ってきたのは、長い沈黙。
どうしよう…。
鼻で笑われる?
いや、お母さんなら「龍の世界?何言ってるの!冗談でもおばあちゃんが治るなんて口にしないで」って怒りそう。
案の定、先に口を開いたお母さんが動揺した様子で言った。
「い、いきなり何言ってんの?冗談はよしなさい、沙織」
うーん…。
当然の反応か。
次の言葉をどうしようか迷っていると、おじいちゃんがゆっくり口を動かした。
「龍の、世界かぁ…」