龍神様との恋愛事情!

素朴な疑問に自分で答えを出していたら、急に若月様が立ち上がった。


「どこ行くの?」


朱美ちゃんが何気なく呼び掛ける。


「茶を用意してくる」


いかにも「面倒臭い」というように刺々しい返事をした若月様が、台所へ行こうと障子を開けた。

すると。


「あら、じゃあ私も手伝いますよ」


よっこらしょと、おばあちゃんも立ち上がった。

カレーライスはすでに完食済み。

早いな…。


「は!?手伝う!?」


なぜか若月様は目玉が飛び出さんばかりに仰天していた。

そんな彼をスルーしておばあちゃんは台所へ。


「ちょっ、ちょっと待て!勝手にいじるなよ!?」


若月様の慌てる声が廊下に消えていく。


そんな弟さんを眺めていた千早様が、楽しそうに笑みを深めた。







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