龍神様との恋愛事情!
つんけんした態度が目立つけど、若月様は意外と親切で面倒見のいい龍神様のようだ。
そう思ったのは、夕方頃に私の部屋へやって来た若月様が手にしていた物を見た時だった。
「これは……」
「見てわからないのか?クマのぬいぐるみだ」
取り替え用の服や細々とした日用品を運んできてくれた若月様。
一通り持ってきた物の説明をした後、恥ずかしそうにそっと生理用品を畳に置いてから、気を取り直した若月様がズイッと差し出したものは、なんと可愛いクマのぬいぐるみ。
あれ?
私、ぬいぐるみなんて頼んでないよね?
もしかして朱美ちゃんが言ったのかな?
差し出されたぬいぐるみを目の前にぐるぐる考えていると、イライラした調子で若月様が言った。
「なんだ?この僕が見繕ったぬいぐるみじゃ不満か?」