龍神様との恋愛事情!
「いいや、明日だ。善は急げと言うしな」
善なのかな?と心の中でツッコんだけど、よく考えてみたら悪ではないと自分で納得。
「どうも…ご親切に、ありがとうございます」
素直に感謝すると若月様は少し照れながら私に背を向けた。
「じゃあ、また後で。夕飯ができたら呼びに来る」
それだけ言って部屋から出て行こうとした若月様を、私は何気なく呼び止めた。
「あの、これから夕飯の支度をするんですよね?手伝いますよ」
クマのぬいぐるみを鏡台の隣に置いて、立ち上がる。
すると、振り返った若月様が潤んだ瞳で私を見つめていることに気がついた。
「わ、若月様?」
その潤んだ瞳の意味がちょっと気になる。
恐る恐る名前を呼んだら、いきなりガシッと手を握られた。