龍神様との恋愛事情!
「沙織、お前イイヤツだな」
「はい…?」
い、意味がわからない。
「自発的に“手伝います”だなんて!朱美や謙一郎に聞かせてやりたいっ!」
ああー…確かにあの二人はお手伝いしなさそう…。
「香織も進んで茶を入れるという精神の持ち主。あいつもイイヤツだ」
お茶を入れただけで、おばあちゃんもイイヤツ認定されてしまった。
若月様って、人から親切にされたこと、あんまりないのかな…。
と、その時。
「沙織の手を放してくれないか、若月」
廊下から千早様の冷ややかな声が聞こえた。
「兄上?なぜここへ?御役目は終わったのですか?」
「ああ、終わったよ。それより聞いていたかい?沙織の手を放してくれないか。むしろ沙織から離れてくれないか?見てると無性にイライラするんだよ」