龍神様との恋愛事情!
午後から御役目のため外出していた千早様。
千早様の仕事は、この世界の均衡チェックなんだとか。
エネルギーの調和や、自然界に気の乱れがないかを長は毎日見回りに行くのが当たり前らしい。
戻ってきてたんだね。
「兄上……沙織はイイヤツですが、本気で娶るおつもりですか?人間ですよ?」
私の手を放しながら若月様が千早様に向き直った。
「人間だからなんだい?」
「すぐ死にます。子供だって、雌が生まれたらおそらく人間でしょう」
「……だから?」
「とぼけないで下さいよ。長の御役目には子作りも含まれていること…ゆめゆめ、お忘れなきよう…」
言葉と眼差しで念を押すと、若月様は行ってしまった。
子作り…。
この単語に私の胸がドキッと反応する。