龍神様との恋愛事情!


 伊吹様の夜中の来訪にはだいぶ慣れてきた。

そのせいか、前回よりは落ち着いて対応できたと思う。

私は電気をつけてから布団の上に正座し、何の用事か尋ねた。


「用件は二つ。まずはお前に血をやることだ」


そう言うと、伊吹様は爪で自分の唇を傷つけた。

この前と一緒だ。

伊吹様の唇から赤い血が伝う。


「さあ、舐めろ」


衝撃的なセリフに一瞬、思考がフリーズした。


え…?

前と同じ状況だから「まさかね」なんてチラッと思ったけど、本気で言ってるのかな?


「どうした、早くしろ」


ギンッと睨まれる。


本気だっ…!

伊吹様は本気で私に唇を舐めろと命令してる!


そりゃあ、血はもらいたいけど……あんな…あんなところ、自分から舐めれないよ…!


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