龍神様との恋愛事情!
「手だと?我が儘を言うな」
いえいえ、唇から舐め取れって命令する伊吹様の方が、私よりも遥かに我が儘なんじゃ…。
「本当に無理なんです!ごめんなさい!」
私はとにかく謝った。
伊吹様を怒らせないように。
謝ったくらいで気を変えてくれるかはわからないけれど、ギュッと目をつむって俯き、伊吹様の反応を待つ。
すると…。
「……いいだろう。お前の謝罪に免じて許してやる」
意外なセリフが聞こえて、私はパッと顔を上げた。
片膝をつき私の表情を覗き込む伊吹様と目が合う。
淡いその瞳に吸い込まれそうな錯覚が押し寄せてきた時、彼はニヤリと笑んだ。
「なんて、言うと思ったか?」
「え?」
妖しい翡翠の煌めき。
私は呆気なく布団の上に押し倒された。