龍神様との恋愛事情!
「雪の屋形?」
「本来ならば、お前は白龍の庇護下にいなければならない存在。この屋形は黄龍のものだ。お前に相応しくない」
やっぱり、ここは黄龍に助けてもらった人間専用なんだね。
納得してしまったけど、たった一人で白龍の屋形に行くのは、正直怖い。
行きたくない。
けど、伊吹様の歩みは止まらない。
私は抱かれたままベランダへ出た。
すると――。
「伊吹」
廊下から千早様の声がした。
「行かせないよ、伊吹」
伊吹様が廊下の方を振り返る。
そのおかげで私の視界にも千早様の姿が映った。
「沙織は白龍のもとにあるべきだ」
伊吹様が冷たく言い放つ。
「白龍の庇護がなくとも、私が守る」
はっきりと言い切った千早様。