龍神様との恋愛事情!
「解せぬな。なぜ黄龍は沙織に関わる?」
「貴様こそ」
「俺は沙織の魂に触れた。だから関わる。しかしお前は全く関係がない」
伊吹様の言う通りだ。
千早様はおばあちゃんを助けてくれたけど、私と直接「特別な関係」があるわけじゃない。
やっぱり、単純に妻にしてみたいっていうだけなのかな…?
「質問を変えよう。黄龍、お前は沙織を好いているのか?」
ドキッとするような言葉だった。
伊吹様、ストレート過ぎるよ!
「私は……」
千早様が戸惑うように言葉を切った。
そして、紡がれた答えはかなり曖昧なものだった。
「好きに、なりたいと思う」
微かに震えた声。
ベランダに届いた千早様の思いは、ひどく弱々しいものだった。