龍神様との恋愛事情!
理由は何となく理解できた。
けどね。
「私に求められても困ります」
「困る…?そうだよね。困るよね…。いくら君が見える人間でも、さすがに裏側へさらって行くのはルール違反だ」
裏側?ルール違反?
よくわからないけど、彼がションボリとしているので私は励ますように言った。
「元気出して下さい。私がダメでもいつか、きっと現れますよ。あなただけの大切な人が」
だからあんまり落ち込まないでほしい。
あなたがションボリしてると、私まで何だか悲しくなってくる。
「早々現れないよ。沙織みたいに若くて可愛くて私好みの初な結婚前の女の子で、しかも彼氏なしなんて」
「か、彼氏なしとは言ってません!」
「え?いるの?」
「い、いませんけど…」
「ほらね。全てにおいて完璧だよ」
う……。
何なの?
落ち込んでるというよりも拗ねた子供みたいに思えてきた。