龍神様との恋愛事情!

「あ…」


突如、光の粒が水面に集まり始めた。

木々や大地から離れ、一カ所に固まっていく。


「光が…!千早様…これって…」


「ああ…。実は私も、銀龍の祝福を見るのは初めてなんだよ。まさか…こんな…」


大量の光の粒に形作られたのは、大きな龍の姿だった。

淡く輝く銀の光。

光の集合体が、銀龍の身体になった…。


「とっても綺麗…」


「ああ。まさに銀龍だね」


水上で龍となった光は、滝を目掛けて飛翔した。

落ちてくる滝に下から突っ込み、逆流していく。

昇り龍。

天に向かって力強く滝を昇るその姿は、まさに昇り龍そのものだ。


「見事だ…」


千早様が感嘆の声をこぼした。

私もただ見惚れるばかり。

圧倒される。


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