龍神様との恋愛事情!
「もう帰ります」
「また来てくれる?」
「さあ…わかりませんけど、今のところ予定はないです」
「寂しいんだ。また来てよ」
優しく背後から抱き寄せられて、柄にもなく戸惑った。
どうしよう。
なんか、千早様にギュッてされるの…嫌じゃないな。
さっきまでのは力強すぎて苦しかったけど…。
基本的に、安心できる心地好さがあって嫌いになれない。
まあ、だからと言って彼のことが好きかと聞かれると、それはまた別問題だけどね。
「放して下さい」
「送ってあげるよ。家はどこ?」
「結構です。一人で帰れま…」
ここで気づいた。
そういえば、私…塒山からの降り方を知らない。