龍神様との恋愛事情!
「あれは?」
「雪の屋形。白龍の根城だ」
雪の屋形。
前に伊吹様が、私を連れていくと言っていた屋形だ。
シトリ様は塔の一番上のベランダにふわりと降り立つと、勢いよく障子を開けた。
「静寂、いるか?」
部屋の中は黄金の屋形の最上階にある広間みたいだった。
床は板の間で、中央の奥にある畳の台座に静寂様と女の人が一人座っていた。
「シトリか。うるさい奴が来た」
静寂様は無表情で私達を見つめた。
「何用だ」
「しばらく世話になる。部屋を貸せ」
「また随分と急な話だな」
シトリ様は私を降ろすと静寂様の前まで行って、ドカリと床に座った。
私もシトリ様にくっついて隣に腰を降ろす。
すると…。