龍神様との恋愛事情!

「ダメだ。奴が答えを持ってここに来るまで待て。それに貴様は、ここにいた方が都合良かろう?」


「え?」


「沙織から白龍の力を感じる。貴様が血を貰う相手は千早ではなかろう」


確かに千早様じゃなくて伊吹様だけど、私は千早様の傍にいたい。

あの屋形に帰りたいよ。

早く来て下さい、千早様…。



「伊吹を呼ぶか」


静寂様の声にドキリとした。


「お前の相手は伊吹だろう?」


「は…はい」


「あいつは今、塒山へ行っている。使いをやろう」


そう言うと静寂様は立ち上がった。


「さよ子、客を空き部屋へ案内してやりなさい」


「はい」


すると、さよ子さんも立ち上がって私達に微笑んだ。


「こちらですよ」


手招きされてついていくと、部屋の隅にあった階段から下へ降り、畳の部屋に案内された。


< 366 / 564 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop