龍神様との恋愛事情!
「ダメだ。奴が答えを持ってここに来るまで待て。それに貴様は、ここにいた方が都合良かろう?」
「え?」
「沙織から白龍の力を感じる。貴様が血を貰う相手は千早ではなかろう」
確かに千早様じゃなくて伊吹様だけど、私は千早様の傍にいたい。
あの屋形に帰りたいよ。
早く来て下さい、千早様…。
「伊吹を呼ぶか」
静寂様の声にドキリとした。
「お前の相手は伊吹だろう?」
「は…はい」
「あいつは今、塒山へ行っている。使いをやろう」
そう言うと静寂様は立ち上がった。
「さよ子、客を空き部屋へ案内してやりなさい」
「はい」
すると、さよ子さんも立ち上がって私達に微笑んだ。
「こちらですよ」
手招きされてついていくと、部屋の隅にあった階段から下へ降り、畳の部屋に案内された。